先に結論から。防護対策をしていても、刺されるときは刺されます。そして、プロ仕様の装備の「たった数センチの隙間」を突かれてこの腫れです。今回は、蜂駆除を仕事にしている私自身がキイロスズメバチに刺されてからの48時間を、応急処置・経過・病院での診断・反省まで、写真つきで正直にお話しします。読み物として笑っていただきつつ、「自分でスズメバチ駆除はやらない」と決めてもらえたら本望です🐝
左:刺されて24時間後の左手/右:いつもの右手。同一人物です。
8月11日の朝、いつもどおり現場で作業をしていたときのことです。チクッ、どころではない、焼けた針を押し込まれるような痛みが左手首に走りました。刺したのはキイロスズメバチ。しかもゴム手袋の上からです。
スズメバチの毒針は、ゴム手袋程度なら普通に貫通します。私の装備の弱点は、グローブと防護服の袖の「つなぎ目」でした。動くたびにわずかに生まれる隙間。蜂は、そういう場所を本当によく見つけてきます。
刺された直後にやったことは2つ。ポイズンリムーバーでの毒の吸引と、抗ヒスタミン成分の軟膏です。蜂駆除業者は、刺されたときのセットを常に現場に持ち込んでいます(応急処置の手順は 蜂に刺されたときの応急処置|やるべき5ステップ にまとめています)。
処置は迅速。手順も完璧。「まあ、この程度で済んでよかった」——このときの私はそう思っていました。
患部に赤み。痛みはあるが動かせる。「軽傷だな」と余裕の構え。
赤みがじわじわ拡大。手の甲がほんのり熱い。
手首のくびれが行方不明に。腕と手が一体化し始める。
ジンジンとした痛痒さで目が覚める。腫れはさらに成長中。
完成。拳を握ると、どこからどう見てもクリームパン。グーはできるがパーは全開にならない。
腫れのピークは越えつつあるものの、まだジンジンして痒い。指輪と腕時計は当分お休み。
これ、大事なポイントです。蜂刺されの腫れは、刺された直後よりも1〜2日目にピークが来ることが多いんです。「その場は大したことなかったから大丈夫」と思っていると、翌朝びっくりすることになります(なりました)。
翌日、病院を受診しました。診断は「アレルギー症状は出ていない、局所の腫れのみ」。処方は塗り薬と飲み薬で、蜂毒アレルギー検査やエピペン(アナフィラキシーに備える自己注射薬)は「今回の状況では必要なし」との判断でした。
正直、蜂を仕事にする身としてはアレルギー検査までやっておきたかったのですが、ここは医師の判断です。今後もし全身のじんましん・息苦しさ・めまいなどが出た場合は、その時点で救急要請——これはプロも一般の方も同じです。
これらはアナフィラキシーのサインで、進行が速いのが特徴です。「様子見」は禁物です。
今回の敗因ははっきりしています。グローブと袖の隙間。ここは今後、二重グローブ+袖口の目張りで塞ぎます。授業料としては高い痛みでしたが、装備の弱点がひとつ潰せたと思えば安いものです。
そして、みなさんにお伝えしたいのはここからです。
普段から蜂を扱い、防護服を着て、ポイズンリムーバーを常備しているプロでも、数センチの隙間を突かれてこの腫れです。半袖・軍手・市販スプレーでスズメバチの巣に挑むのが、どれくらい分の悪い勝負か——この手が何よりの証拠だと思います。
スズメバチの巣を見つけたら、近づかず、離れた場所から写真を撮って、プロに任せてください。それがいちばん安くて、いちばん痛くない解決方法です。
経過は良好で、仕事には支障ありません(グーはできるので)。ちなみにこの腫れた手の写真をSNSに載せたところ、家族からは「おいしそう」との評価をいただきました。……蜂の恨みは怖いですね。